理学療法は、病気、高齢、障害などによって運動機能が低下した状態にある人々に対し、運動機能の維持・改善を目的に、運動療法、機能訓練物理療法、装具療法などを用いて行う治療です。
理学療法の対象疾患は、骨折や関節痛などの筋骨格系の問題、脳卒中や神経疾患などの神経学的問題、肺炎やCOPDなどの呼吸器系の問題、心疾患や動脈疾患などの心血管系の問題など、多岐に渡ります。
このような病気や怪我で突然入院となった患者さんの運動機能維持・改善、そして日常生活動作(ADL)の改善を図り、早期に退院できるように支援して参ります。また病気が進行すると寝返る、起き上がる、座る、立ち上がる、歩くなどの動作が不自由になり、ひとりでトイレに行けなくなったり、着替えができなくなったり、食事が摂れなくなったりします。理学療法では、病気や障害があっても、自分らしく暮らしたいというひとりひとりの思いを大切にし、最終的にはQOL(生活の質)の向上をめざします。
また、当院では、ICU(Intensive Care Unit:集中治療室)、CCU(Cardiovascular Care Unit:心疾患集中治療室)、救命救急センターに担当の理学療法士を配置し、入院後早期から理学療法を開始しています。早期に理学療法を開始することで、寝たきりによる全身の筋力低下、心肺機能低下の予防を図り、ADLの維持の改善をはかり早期に退院できるよう支援しています。また、早期の理学療法はせん妄などの認知機能低下の予防を図ることも期待できます。集中治療室での理学療法の実施においては、理学療法士のみで実施することは困難で、医師、看護師、臨床工学技士、管理栄養士といった多職種で実施しています。
当院では、集中治療理学療法士の資格を取得した理学療法士がおり、集中治療室入院後早期のリハビリテーションに力を入れています。