医療情報部では鳥取大学病院の電子カルテ、画像情報システム、ネットワークとこれらに接続する部門システム、手術部ビデオシステム、病院ホームページ等のサーバを一括管理しており、これらシステムの操作マニュアル、運営マニュアルも作成している。また、システム更新時の仕様書策定には導入WGへの情報収集、事務等、未来の病院システムの計画に大きく関わっている。院外とのネットワークに関しても地域医療連携「おしどりネット」「周産期ネットワーク」「病院間連携パス」についてもサーバ、マニュアル類を管理している。
医療情報部の人員は平成26年3月現在、部長教授1名、副部長講師1名、事務係長1名、事務職員2名、看護部からの情報担当看護師1名、委託のSEは業務増(※)に対応して増員して頂き4名、ベンダーの常駐2名が常時電話対応あるいは現場対応を行なっている。また、必要に応じて各ベンダーの担当者がこれに加わって作業している。
平成26年1月1日に更新した病院情報システムに関して、平成24年度からの仕様策定のためのワーキング活動、委員会を開催していたが、平成25年度は入札、開札を経て、要件定義の会議による詳細の決定、マスターファイル作成、開発システムのチェック、リハーサル、操作マニュアル、運営マニュアルの作成が大きな仕事でした。この間も既存システムに対する平時の業務、問題報告対応等もあり、忙しい年度でした。今回のシステム更新は平成26年1月1日と5月の2期に分けて導入した。一期ではハード、基本ソフトの更新が中心で従来のシンクライアントシステムを基盤に、ベッドサイド端末にiPodtouchを導入し、外来処方箋の一回投与方式への変更等を行なった。この湖心では災害時あるいはサーバ室の火災時に電子診療情報の喪失の危険を回避し、早期のシステム回復のために約100km離れた鳥取市のデータセンターにリアルタイム・バックアップすることにした。
おしどりネットに関しても4月におしどりネット2の拡充予算を鳥取県より頂き、おしどりネット3の仕様策定を新規参入情報提供病院の鳥取県立中央病院、鳥取市民病院、鳥取生協病院、日野病院と、接続変更の西伯病院、大学病院間で行ない、入札、開札後の要件定義、システム開発、導入を行なった。今回は厚労省の進める日本標準規格SS-MIX2を各病院の情報提供出口として導入し、管理方法には今後厚労省標準になる世界標準規格XDS/XDS-iを導入した。XDSはIBMが実際にカナダで稼働させているものを、XDS-iはGE社がオランダで稼働させているものを日本語対応して導入した。標準規格のため今後の病院追加参加や島根県岡山県等のシステムへの県境を越えた接続も容易になる利点が大きい。
国立大学病院42病院の診療情報を厚労省標準のSS-MIX形式で国内2カ所のデータセンターに遠隔保存し、災害時等にインターネット経由で参照できるシステムを鳥取大学病院として導入した。導入に関しては上記鳥取病院情報管理システム更新で行なったベンダー独自の遠隔保存の経験を担当者会議に示し、42国立大学病院としてもSS-MIX形式以外にベンダー独自仕様の診療情報の遠隔保存することになった。ただ、本院は既にシステム更新の仕様書に盛り込んでおり、42病院の遠隔保存ではSS-MIX形式のみとした。
おしどりネット協議会で使用のメディアセンターのWeb型TV会議システムを地域医療学講座等に紹介した。また、「病院長会議」のもとで「国際遠隔医療教育ネットワーク事業」として九州大学病院アジア遠隔医療開発センターのTV会議システム機器の技術検討がされているが、医療情報部がこれに参加して会議基盤を確認している。また、別途「国立大学附属病院 臨床研究推進会議」の会議基盤としてUMINのテレビ会議システム(Fresh Voice)接続テストを実施し、院内の担当者の会議をサポートした。
別途、胸部外科の国内大学、病院間のダビンチ症例検討会の3D−TV会議についてもサブセンターとともにサポートした。
DAISEN-2 問題報告:1379(495)
DAISEN-2 対応・作業報告:5083(3630)