検体をグラム染色し、病原微生物の推定や炎症の評価を行います。
手順も煩雑でなく短時間で検査できますが、診断や治療方針の決定に非常に重要です。
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グラム陽性球菌(S.pneumoniae) |
材料や目的とする病原体ごとに適切な培地を選択し、特定条件下で一定期間培養します。
発育した菌のコロニー(集落)を用いて、検査を行います。
培養中 |
安全キャビネット |
塗抹標本での形態、コロニーの特徴、生化学的性状または質量分析装置により、発育した菌を同定します。また、治療で用いられる抗菌薬の有効性を評価します。
正確でより迅速な菌種同定および薬剤感受性検査結果報告を目指し、平成26年11月新たに質量分析装置を含めた3台の機器を導入しました。
*MALDI Biotyper*
培地上に発育したコロニーから細菌および酵母様真菌の同定を行っています。
マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(Matrix-assisted laser desorption/ionizationtime of flight mass spectrometry:MALDI-TOF MS)を用いた微生物同定法で、微生物特有のリボソームタンパク質を主成分とした分子のマススペクトルパターンを既知標準株ライブラリーと検索・照合し、目的菌種を同定します。
以前は、培養から菌種同定に少なくとも3日間を要していましたが、現在は培養翌日には同定が可能となり、迅速な結果報告につながっています。
*VITEK2*
主に、Staphylococcus属、Enterococcus属、腸内細菌等のグラム陰性桿菌の薬剤感受性検査を行っています。Advanced Expert System(AES)と呼ばれる感受性試験結果検証システムによりデータベースに基づいたチェックを行い、測定結果の妥当性を評価することが可能です。近年、様々な薬剤耐性菌が出現していますが、そのスクリーニングにも有用です。
*RAISUS ANY*
主に、Streptococcus属、Haemophilus属、嫌気性菌、真菌の薬剤感受性検査を行っています。発育の良くないこれらの菌種の薬剤感受性試験も自動判定が可能であり、検査の効率化につながっています。