指導医からのメッセージ

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有意義な研修医生活に必要と思うこと

内分泌・代謝内科 伊澤正一郎 先生 (H25、H27 優秀指導医)

私は、当時「新臨床研修制度」と言われた現研修制度の第1期生です。医学部卒業時より現診療科を希望していましたが、研修を受けるにあたり研修後についても調べ考えたことを記憶しています。また学内外の経験豊富な先生方から貴重な助言も頂き、よい仲間にも恵まれ、有意義な研修医生活をおくれたと自負しています。

これから研修を始められる先生方にはできるだけ早くから将来のことを考え、幅広い視点での診療を心がけて2年間過ごしていただきたいと思います。臨床研修は、専門外の診療科を経験できる最初で最後のチャンスです。医師となって年数を重ねますと、どうしても専門領域に偏ってしまいます。研修医の時に幅広い視点で診療する姿勢を身に着けないと、後になればなるほど難しくなってしまいます。

私の限られた経験ではありますが、今後も当科や救急外来で一緒に診療する研修医の先生方がバランス感覚の優れた医師へ成長できるよう、少しでもお役に立てれば幸いです。

呼吸器内科・膠原病内科 岡崎亮太 先生(H25、H26、R3 優秀指導医)

私自身、初期研修を終えてから17年経過しましたがその時の経験は今も生きています。

研修医当時、経験が浅く自信もない自分に対して指導医の先生から言われたのは、「足で稼ぐこと」でした。それは、患者さんのところに足繁く通い、「患者さんの話をよく聞くこと」「所見や変化を見落とさないように丁寧に診察すること」です。その患者さんに向き合う姿勢は、初期研修の内に培われるものと思います。

大学病院には、診断や治療が困難な患者さんが多く入院されます。大学病院の研修では、各分野のエキスパートである指導医の先生と一緒に診察や治療を行うことで個々の症例をより掘り下げて考えることができると思います。また各診療科の先生との出会いは、後の医師人生に大きく影響を与えます。私もこれまで多くの研修医の指導をさせて頂きましたが、後にそれぞれの分野で活躍されており、症例で困った際はお互い気軽に相談させてもらっています。研修医の先生方には、そうした出会いも大切にして頂きたいと思います。

私自身も日々勉強中です。研修医の先生との出会いを大切にしながら一緒に切磋琢磨していければ幸いです。みなさんと一緒に働けることを楽しみにしています。

初期研修の2年間が、その後の医師人生を大きく左右する。

小児科 横山浩己 先生(R3 優秀指導医)

よく初期研修の2年間がその後の医師人生を大きく左右すると言いますが、私もその通りだと思います。私自身は鳥取大学医学部附属病院と市中病院で、たすきがけで初期研修をしましたが、それぞれに特色や利点があり、総合してとても良い初期研修ができたと感じています。

鳥取大学医学部附属病院での臨床研修の特徴は、多様な疾患を各分野のエキスパートとともに深く経験できることにあると思います。大学病院として、一般の医療機関では診断・治療が困難と判断された症例が当院にこられます。そうした患者さんを担当し、指導医とともに病態を検討し、ベストを尽くして診療し、その結果を間近でみていくことが可能です。

私の所属する小児科では体の全領域をカバーして専門的に診療するほか、common diseaseや軽症例も多く扱っているため、研修医として経験できる症例や処置はとても豊富です。その経験は先生方がどんな医師人生を選ぶにしてもかけがえのないものになると思います。

私自身、研修医の先生方と一緒に診療することで学ぶことや新たに得られるものが多くあります。自分が研修医であった頃を思い出し、どんな言葉がけや指導方法がより良い研修につながるかを考えながらやっていきたいと思っています。鳥取大学医学部附属病院、そして小児科での研修をお待ちしています。

「初期研修は、とっとり大学がてっとり早い!」

消化器外科 宮谷幸造 先生(R3 優秀指導医)

「とりだいの研修ってどう?」、「鳥取県での研修ってどう?」、皆様のご不安は多いものと拝察致しますが、良い初期研修を受けるなら、とっとり大学がてっとり早い!

とりだいの研修の魅力は、放任でも過保護でもない、適度な「やってみて感」だと思います。例えば、私は消化器外科医ですが、胸水穿刺、腹水穿刺、CV留置等々、もうお腹いっぱいなので、皆さんに是非やってもらいたいです。山本五十六の教育における4段階法を実践し、皆さんと臨床の楽しさを分かち合いたい指導医が、たくさん在籍しています!

鳥取県での研修って田舎だから楽しくない?答えはNoです。飲食店や遊戯施設は十分で、海も山もある。患者さんも優しい(この点、結構重要)。東京・大阪は飛行機や高速バスで意外と近い。スタバもセブンもある。ほっこりした気持ちが維持できる生活・診療環境で、心身共に充実した研修生活を送ることができますよ!

とにかく、とっとり大学は、研修医の皆様を待っとります!!

将来、どのような医師になるのか」を決める、
医師としての土台を作る大切な期間

高度救命救急センター 山本章裕 先生(R2、R3 優秀指導医)

初期臨床研修の2年間は「将来、どのような医師になるのか」を決める、医師としての土台を作る大切な期間だとよく言われます。

私が研修医であった時に、指導医に「ベッドサイドにしっかり足を運び、患者さんから学ぶ姿勢を大切にしなさい」、「考えに行き詰まったら、ベッドサイドに行き、患者さんを改めて診察してみなさい」と言われたことを覚えています。初期研修修了後は呼吸器内科医として働き始めましたが、現在は救命救急センターで重症患者さんを中心にベッドサイドでの診察や評価を大切にしながら、救急・集中治療の現場で診療をさせていただいています。

初期研修中にどんな経験をするか、どんな患者さんと出会うか、どんな指導医と出会うかが、その後に目指す医師像を決めるうえでとても大切だと思います。鳥取大学医学部附属病院は、大学病院としての機能だけでなく、地域の中核病院として多種多様な病態の患者さんが来院されます。また、当院には各診療科、各分野のエキスパートが多数在籍しています。様々な疾患を経験することができたり、難しい症例も指導医と病態をじっくりと考えることができたりする為、いろいろな経験や人との出会いがある環境だと思います。

私自身、まだまだ勉強中の身ではありますが、みなさんが目標とする医師像へ進んでいくお手伝いができれば幸いです。みなさんと一緒に働けるのを楽しみにしています。

自分で考え、行動するための基本的な考え方や技術を習得することが重要。

感染症内科 北浦剛 先生(H27、H29、H30 優秀指導医)

初期研修では各診療科を1、2ヶ月程でローテーションすることが多く、ゆっくり勉強する時間がないと感じるかもしれません。少なくとも私はそうでした。限られた時間の中で、日々の診療に必要な情報を調べるだけでも大変なことと思います。

一方で、目の前の仕事をこなすための勉強だけではもったいないような気もします。初期研修の間に、自分で考え、行動するための基本的な考え方や技術を習得することが重要ではないでしょうか。担当患者さんについて鑑別診断やプロブレムを列挙できるようになること、正しい知識を得るための手段(成書やガイドライン、「UP TO DATE」等の活用)を身に着けること、経験した手技を反復し確実に習得しておくこと等が、どの診療科に進むにしても必要なことかと感じています。簡単なことではないと思いますし、自分自身も日々勉強中ですが、そのようなことを考えながら研修医の先生方の指導に当たらせて頂いています。

みなさんと一緒に仕事ができるのを楽しみにしています。