病院長挨拶

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病院長挨拶

臨床研修プログラムの発刊にあたって

鳥取大学医学部附属病院長
北野博也


新世紀の医療人憲章に、すべての医療人が果たすべき、「患者の利益の優先」、「患者の自律性の尊重」そして「社会的公正の実行」という3つの基本原則に加えて、プロフェッショナルとしての10の責務が挙げられています。その第一に医療人は質の高い医療の提供のため、生涯にわたって医学知識、臨床技能、チーム技術を向上、維持する必要があり、それを医療界全体として担保することが重要であると謳われています。
新しく制定された臨床研修制度は、すべての医師・歯科医師に基本的診療知識と技能を修得させる入門教育であるともに、職業人としての生涯学習の入口であり、医療プロフェッショナリズムを確立する上で大きな意義を持つものです。
鳥取大学病院では、このような基本理念ならびに我が国の医師法・歯科医師法や医療法の定めるところに拠り、本院独自のプログラムを作成し、広く研修医を募っています。 本院での初期臨床研修の特徴を挙げると、

  1. 個人の希望を優先した自由選択プログラム
  2. 充実した40コマの総合プログラムでローテイト研修を補完
  3. 救命救急センターにおける1~3次救急患者の診療経験
  4. 放射線科での画像診断技能の修得
  5. 過疎山村や漁村での地域医療体験
  6. 専任の研修センター教員(准教授)
  7. インターネット付き研修医室と専任事務職員の配備
  8. 米国大学病院からの指導医招聘および短期留学研修
などです。
この研修プログラムは決して突出したプログラムではありませんが、鳥取大学の長い研修医養成の歴史の中で培われてきた内容に磨きをかけたもので、大学病院、地域医療機関、県医師会そして鳥取県が一丸となって、将来の山陰の地域医療を支える人材を養成しようとする熱い想いが込められています。どうか1人でも多くの諸君が、この自然豊かな山陰で、このプログラムから医師・歯科医師としての第一歩を踏み出されることを期待しています。