■1)プログラム作成の基本方針
- 歯科医師としての人格を涵養し、将来の専門性にかかわらず、全人的な幅広い基本的診療能力(知識、技能、態度)を身につけた臨床医の育成
- 患者ならびに患者家族の視点に立ち、その心理・社会的側面をも十分に理解できる歯科医師の養成
- 鳥取県ならびに山陰地方の地域医療の特殊性を充分に考慮し、地域が一丸となった研修医教育に取り組む
- 研修医個人に着目したプログラムとする。
- マンツーマン方式を基本とした指導医体制の確立(指導医教育制度を含む)ならびに適切な研修評価の実施
■2)プログラムの特色
- 本研修プログラムの最大の特徴は、大学医学部附属病院が主の研修の場であることより、昨今の高齢者社会に対応すべく、多くの全身的疾患を有する口腔疾患患者の研修が可能である。
- プログラムでは鳥取大学医学部附属病院での12ヶ月の研修を行う。なお、鳥取大学医学部附属病院での研修期間中1ヶ月間は研修協力施設において研修を行うことが可能である。なお、本プログラムは1年で修了するが、原則として引き続き「応用充実コース」に進むこととしている。
- 核医学的検査を含めた画像診断法を欠くことができない現在の医療現況を考えて、本院プログラムでは放射線研修を行うことができる。
- 歯科医療現場での患者急変の不測の事態に対し、あるいは歯科救急患者に対応する能力が求められており、その時流に鑑み、麻酔科の研修を行うことができる。
- 地域・医療研修として、在宅医療を含むへき地医療を研修予定とした。
- 本プログラムの研修理念、行動目標は、平成16年9月に厚生労働省医政局が発表した「医道審議会歯科医師分科会歯科医師臨床研修検討部会意見書」の趣旨を踏まえたものである。
■3)研修プログラムの構成
- 本院を単独型臨床研修病院、教育関連病院・医院を研修施設を「研修協力施設」とする臨床研修病院群を形成し、研修期間は1年間とする。
- 本院歯科口腔外科にて研修を行い、状況に応じて麻酔科、放射線科の研修を行う。
- プレローテーションカリキュラム
臨床に携わる歯科医師として必要な知識、技能を集中的に修得するためのプログラムとして、臨床研修開始時に、看護部、薬剤部、放射線部、輸血部、検査部、医療情報部、リハビリテーション部、事務部
などでの「プレローテーションカリキュラム」を行う。さらに、歯科医師としての自覚を促し、患者や医療スタッフとの有効な人間関係を構築できるように「ホスピタリティ研修」を行っている。この研修は医師のみ
ならず看護師・薬剤師等コメディカル職員と合同で行うことによりチーム医療の重要性を認識し、構築することを目指す。 - 歯科医師臨床研修
(ア)基本習熟コース
医療面接、総合診療計画、予防治療基本技術、応急処置、高頻度治療、医療管理、地域医療などを修得する。
(イ)基本習得コース
救急処置、医療安全・感染予防、経過評価管理、予防、治療技術、医療管理、地域医療、診査・診断・治療計画などに関して修得する。 - 評価方法
○DEBUTオンライン研修システムに基づいて行う。これには研修医による自己評価・指導医の評価・研修環境の評価が含まれる。 - 研修医は、担当した症例を主治医と共に診察し、DEBUT研修システムに則って研修内容を登録する。
- 年間2~4ブロックに分け、そのブロック単位で、総合評価を行う。
- 最終的な研修修了の基準として、
研修項目のうち44項目は必修項目とする。
研修期間を通じて総合評価において指導医、研修医の評価に未経験項目がないこと。
総合評価において、指導医の評価の修得項目が過半数を超えること。 - 研修終了後に病院長が修了証書を授与する。
- 研修を修了していると認められない時は、病院長はその理由を付した文書を発行する。
○研修医手帳 - 研修医の備忘録として研修手帳を作成し、各研修医が所持する。
- 研修管理委員会より手帳の提出を求められたときは速やかに提出する。
○研修ブログラムの自己点検・評価
研修ブログラム(研修施設、研修体制、指導体制)が効果的かつ効率よく行われているか定期的に(年1回)に研修管理委員会が中心となって自己点検・評価を行い、その結果をインターネット等を利用して公表する。 - 研修協力施設
病 院 名 | 院 長 名 | 指導責任者 |
鳥取県立中央病院 | 日野 理彦 | 木谷 憲典 |
鳥取赤十字病院 | 福島 明 | 谷尾 和彦 |
岩美町国民健康保険岩美病院 | 渡邉 賢司 | 池田 貴之 |
鳥取市国民健康保険佐治診療所 | | 田本 綾子 |
南部町国民健康保険西伯病院 | 木村 修 | 倉立 至 |
江府町国民健康保険江尾診療所 | | 原田 勇聖 |
日立記念病院 | 應儀 長子 | 安藤 修二 |
松江赤十字病院 | 秦 公平 | 中林 基 |
新温泉町国民健康保険歯科診療所 | | 小川 真史 |
広島大学病院 | 越智 光夫 | 小川 哲次 |
公立八鹿病院 | 宮野 陽介 | 岡野 秀治 |
松江生協歯科クリニック | | 菅野磨以子 |
■4)卒後初期臨床研修修了後の進路
1年の研修を終えた者は大学院への進学を勧めている。