センターとは

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センターとは

鳥取県肝疾患相談センターは、平成21年4月24日に鳥取大学医学部附属病院内に第1回指定、平成24年4月23日に最終指定を受け設置された、全国の肝疾患診療連携拠点病院71施設(令和3年4月現在)のひとつです。地域住民のみなさまに対する肝疾患の診療・治療に関する情報提供、医師と医師以外の医療従事者との連携、地域の医療機関間の連携を促すことなどを目的としており、様々な講演・研修会・支援事業、種々の情報提供を通じて、地域のみなさまの肝疾患診療が円滑に行えるよう取り組んでいます

わが国の死因の第1位は悪性新生物(がん)ですが、 肝がんは男性では4番目、女性では6番目に多いがんです。
肝がんは、 多くが慢性肝炎や肝硬変などの慢性肝疾患にかかっている患者さん に起こってきます。肝硬変の原因は、約50% がC型肝炎ウイルス、約10%がB型肝炎ウイルスの持続感染で、 アルコールが約20%です。 現在日本には約85万人のC型肝炎患者が存在していると推定され ており、ウイルス性肝炎、特にC型肝炎はわが国の「国民病」 とされ、肝がんへの進行を防ぐためにも、 その対策が重要とされてきた結果、 C型肝炎ウイルスに対する治療は、 近年長足の進歩を遂げています。
C型慢性肝疾患では、 今までインターフェロンでは治療が難しかった方でも、 経口抗ウイルス薬による治療により、 高率にかつ副作用が少なくC型肝炎ウイルスの完全排除ができるよ うになりました。また、平成20年4月から、肝炎治療に対し、 国が医療費の一部を助成する「肝炎治療特別促進事業」 がはじまり、鳥取県でもたくさんの方が受給を受け、 治療されています。
B型慢性肝疾患ではインターフェロンと核酸アナログ製剤を使い分 けることで、長期にわたって肝炎を沈静化させ、 肝発がん率を低下させることが可能になってきました。
しかし、B型およびC型肝炎ウイルスに感染していても、 肝硬変や肝がんに進行するまでほとんど自覚症状がないことから、 自分で気付くことは大変難しく、 あるいは検診などでウイルス感染を知らされても、「 別に身体の調子は悪くないから」「 インターフェロンは副作用がきつくて、 仕事が出来なくなると噂で聞いたから」などの理由から、 治療を受けずにおられる方も多くおられます。 ウイルス性慢性肝疾患の多くが治癒またはコントロールが可能な時 代を迎えたのにもかかわらず、 自分が感染者であることをご存じない、 または肝炎についての知識が少ないために治療を受けられないでい る患者さんが多数残されていると考えられています。
この状況に対抗すべく、平成19年度から、 厚生労働省は各都道府県に 「肝疾患連携拠点病院」の認定をはじめました。 鳥取県では鳥取大学医学部附属病院が認定され、平成22年1月、 消化器内科(機能病態内科学) 内に事務局と肝疾患相談センターが併設されました。 以下の方法で患者さん、事業者、および一般の医療機関に対して、 肝疾患の診療に関わるさまざまな情報を提供しています。
 
検診などで肝炎ウイルスに感染していることが判明された方の相談
「かかりつけ医」と「肝疾患専門医」との連携の補佐
地域の医療従事者(医師、看護師、薬剤師等)に対し、 肝炎に関する研修会の開催
チラシ・ホームページなどのSNS・肝臓病教室・ 市民公開講座を通じて一般の方々への肝疾患知識の普及
 
また最近では、糖尿病・高血圧・ 肥満などの生活習慣病が原因と考えられる肝炎ウイルス陰性の肝が ん(非B非C型肝がん)が増加していることから、 肝炎体操や骨盤呼吸体操により生活習慣病を改善する活動も行って います。
これらの我々の活動が、 鳥取県の肝疾患患者の治療および肝がん発症予防に寄与することを 祈念しております。

センター長挨拶

永原 天和(医師 センター長)

鳥取大学医学部附属病院で肝臓内科を専門にしている永原です。
肝疾患相談センターを担当させていただくことになりました。よろしくお願いいたします。

 肝炎、脂肪肝、アルコール性肝障害といったありふれた肝臓病に関する情報は、健康診断などで知る機会が多い反面、「症状がない。困っていない。自分には関係ない。」という理由で放置されている方が多いです。肝臓は沈黙の臓器と言われており、かなり深刻な病状にならないと気付かないこともあります。肝炎や肝がんの治療は目ざましい速さで進歩していますので、いかに早くご自身の肝臓病について気づき、知り、正しく対応するかが大切です。

 マスメディアやインターネットには様々な情報が氾濫しており、何が正しいのか混乱される方もあるかと思います。ご自身やご家族の肝臓のことで、ご心配事がありましたらお気軽に当センターにご相談ください。