診療内容

肺がん

肺がん

対応可能な診療科

特徴のある診療(診断・治療)

我が国の2010年の統計では、肺がんは死亡数男性50395人、女性19418人でそれぞれがん死亡全体の24%、14%を占める頻度の高い疾患です。
肺がんはその性質上、小細胞癌、非小細胞癌に大別され、後者はさらに扁平上皮癌、非扁平上皮癌に分類されます。小細胞癌ではⅠ期では手術+術後化学療法、Ⅱ期~Ⅲ期では放射線化学療法、Ⅳ期では化学療法を行っております。非小細胞癌ではⅠ-Ⅱ期では手術(+適応例では術後補助化学療法)、Ⅲ期ではその症例に応じて手術、放射線治療、化学療法を組み合わせて治療し、Ⅳ期では化学療法を行っています。それぞれの治療方針は、毎週1回呼吸器内科・胸部外科・放射線治療科でカンファレンスを行って最良の方法を議論して決定しています。

適切な治療のためには正確な診断が不可欠となります。当院では気管支鏡検査にEBUS-GS法、Bf-Naviなどを導入しており、以前では内視鏡診断困難であった20mm以下の微小な病変に対しても診断率が向上してきております。また縦隔リンパ節の転移診断にはPET-CTのみならず、EBUS-TBNAも積極的に行い、より正確な病期診断を行うようにこころがけています。

近年分子標的治療薬の発展に伴って、とくに非小細胞肺癌では「driver遺伝子」の検索が非常に重要になっております。下に当院での2010年から2013年の3年間のⅣ期肺腺癌の症例の生存期間を示していますが、driver遺伝子が確認された症例では予後が良好な傾向(生存期間中央値で1124日vs300日、p<0.0001)を認めています。Driver遺伝子として最も頻度の高いEGFRやALK融合遺伝子は、その阻害薬がすでに保険適応であることもあり、非小細胞癌のほぼ全例で検索しております。その他の希少なdriver遺伝子として、RET、ROS1などの報告も有るため、2015年5月の当ページ作成段階ではそれらの阻害薬の保険適応はありませんが、将来的な使用や他施設での新薬の治験も念頭において、その他の遺伝子検索が必要と思われた症例では、全国規模の肺がん遺伝子診断ネットワークであるLC-SCRUM-Japanに検体を郵送して遺伝子検索を行っております。

近年進行肺癌に対する標準治療は、分子標的薬の進歩も有り年々変化してきています。新しい治療は「臨床試験」で評価します。当科は臨床試験も積極的に行っております。
現在の標準治療以上の効果があるかどうかを検証する試験が「第Ⅲ相臨床試験」であり、第Ⅲ相試験を行う価値があるかどうかを検証するための第Ⅲ相試験よりも小規模な試験が「第Ⅱ相試験」です。現在当科ではWJOG(西日本癌研究機構)の参加施設として複数の第Ⅲ相試験に登録しています。また当科が主体となって山陰地方主要病院と共同で、「EGFR遺伝子陽性切除不能進行非小細胞肺がん例に対するビノレルビン+S-1併用療法の第Ⅱ相試験」、「進行非小細胞非扁平上皮肺癌に対するweekly PTX+bevacizumabの併用療法の第Ⅱ相試験」、「高齢肺非扁平上皮癌に対するpemetrexed単剤とpemetrexed+カルボプラチンの併用療法を比較するrandomized第Ⅱ相試験 」、「進行扁平上皮癌に対する二次治療としてのnab-PTX療法の第Ⅱ相試験」なども臨床試験も実行中です。詳しくは担当医にお尋ねください。

診療実績

(平成12年~平成21年)

病期分類 症例数(人) 5年生存率(%)
Ⅰ期 373 76.1
Ⅱ期 78 55.1
Ⅲ期 59 41.1
Ⅳ期 26 43.4
合計 536 67.3

肺がんに関する解説

独立行政法人国立がんセンターがん対策情報センターサイトをご確認ください。

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